質問しやすい環境づくり

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入塾後に驚くような成長を遂げる子たちは今までたくさん見てきた。

歴代のその子たちの顔を思い出すと、その中の多くの子たちが頻繁に質問をしていた。

一概には言えないが、やはり質問する子、質問できる子のほうが伸びやすい、という傾向はあると思う。

だから、塾生たちにはどんどん質問できる子になってもらいたいと思っている。

以前にも書いたが、質問するためには以下の3点が必要である。

目次

① 考えながら勉強していること

①に関して、まず丸暗記しようとする子からは質問があまり出ない。

「勉強=暗記」、「勉強=反復練習」となってしまっているのだ。

もちろんこれは間違いではない。

暗記は必要なことだし、反復練習も欠かせない。

しかし、その前提(根底)に「考える」ということが含まれていないといけない。

「単なる暗記」「単なる作業」になってしまっていては力がつかない。

② 理解したいという意志があること

②は、「目の前の問題を理解したい」「分からないままでいるのは気持ち悪い」という気持ちを持つことが大切だ。

面倒くさがる気持ちや苦手意識が強いと、解決できていないまま、目の前の問題を終わったことにしてしまう。

③ 先生とのコミュニケーションを取れること

③は、質問したいという気持ちがあっても行動に移せないパターンだ。

「なんとなく先生が怖くて質問しづらい」とか、「こんなことを質問して、レベルが低いと思われたらどうしよう」とか、そういう気持ちがブレーキをかけてしまうことがある。

こういう心理的なハードルを下げる必要がある。

④ 最後に

要は、生徒たちが質問するという行動を取れるようにするには、一般的に思われているよりも多くの条件が必要だと思うのだ。

ここで「質問しましょう。」という声かけをするのはもちろん大切なことだと思う。

しかしそれは、本を読まない子たちに対して「本を読みましょう。」と単に声かけをするのと同じようなものである。

その声かけだけで、はたして生徒たちが本を読むようになるだろうか。

そんな単純なことではない。


本好きの子のご家庭には、保護者の方々が絵本の読み聞かせをしていたとか、保護者の方々がよく本を読んでいる姿を見せているとか、いろいろな本が本棚に並んでいるとか、近くの図書館に本を借りに行く習慣があるとか、その子が本好きになるための有形・無形の仕掛け、仕組みがあると思う。

もちろん生まれ持って本が好きな子もいるかもしれないが、育ってきた環境(家庭、小中学校のクラスなど)によって、本好きになるかどうかが決まることも多いと思う。

「本を読む子になってもらうための環境づくり」が大切であるのと同じように、「質問する子になってもらうための環境づくり」もまた大切だと思う。

質問することに慣れてもらうための仕掛けや仕組みづくり、考えながら勉強する姿勢を養うための働きかけ、気軽に質問できる環境(雰囲気、関係性)づくりによって、質問できる子になる可能性は十分ある。


もともと質問できる子は、どんな環境(どんな塾)であってもだいたい質問できる。

しかし、もともと質問できない(質問しない)子たちが質問できるようになる環境を、unitはつくっていきたい。

そして、もともと質問できる子たちがさらに高度な質問ができるように、質問対応を通じてさらに深い知識や知的好奇心を養えるような環境をつくっていきたいと思う。

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