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問題を解く上で一番難しいこと
土日のテスト勉強会をしていて、たくさんの生徒たちから質問を受けた。土日とも、一日中ひっきりなしに質問対応をしている感じだ。質問対応をしながら、その問題を解く上でどのような知識・意識・感覚が必要か、ふだんどういうことを意識して勉強に取り組むことが必要かを一人ずつ伝えていく。もちろん生徒の頑張っているところ、成長しているところもこまめに伝えていく。
「この問題が分かりません。」と生徒が言ってきた問題を見る。
何が分からないの?
・・・全体的に分かりません。
そうなのか。問題文はちゃんと読んだ?
一応、読みました。
一応??それじゃあもう一度読み直してみよう。
最初から問題文を声に出して読んでみて。
『体積が10cm3の塩酸Aと…
はい、ストップ。『体積』って何ですか?
えーっと・・・量?いやっ、 違う。重さ?
はい、じゃあまず『体積』という言葉をちゃんと理解しよう。
体積っていうのは…
こんな感じで、問題文を細かく区切って一緒に読んでいく。生徒たちはよく「全体的に分からない」という言い方をするが、それは「細かい部分を一つずつ理解する」という作業をしないまま、いきなり全体像を理解しようとすることから起こりやすい。まずは地道に、面倒くさがらず、こまかいパーツ(一部分)に分けて、一つずつ意味を確認しなければならない。意味の分からない英文があれば英単語を調べるように、意味の分からない文章があればその文中の言葉を辞書で調べるように、暗算できない計算があれば途中式や筆算を書くように、問題文に出てくる言葉の意味を一つずつ確認する必要がある。これをちゃんとできる生徒はまだまだ少ない。おそらく、途中で投げ出してしまうのだろう。「問題文をちゃんと読む」。一見すると当たり前に思えることだが、問題を解く上で一番難しいのではないだろうか。
ひと通り説明し、彼らがスッキリした表情になったあとに、全体を細かく分けて一つずつ理解していく姿勢の大切さを伝える。頭ではすぐに分かってくれると思うが、常に、無意識でできるようになるまでには時間がかかることだろう。私たちはこういうやりとりを粘り強く続けていきたい。