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型を身につけさせることの難しさ
私が塾生たちに教えることの中には、ちょっとした単独の知識もあれば、さまざまなことに幅広く適用可能な考え方・やり方(いわゆる『型』)もある。
日々指導を行っていて、前者を身につけてもらうことよりも後者の『型』を身につけてもらうことのほうが比べものにならないくらい大変だというのが実感である。
たとえば私が常々塾生たちに伝えている「算数、数学の問題を考えるとはどういうことか」というお話も、別に特別理解するのが大変な話ではない。
小学生でもイメージできることである。
しかしいざ問題を解こうという段になると、先ほど教えたはずの型が使えない。
もう少し詳しく言うと、「型を使おうという意識が自動的に起動しない」という感じだ。
どうしても慣れ親しんだ『自分流』で取り組もうとしてしまう。あるいはついついなんとなく解こうとしてしまう。
2、3分前に伝えたことが解き方に反映されない。
ごくごく狭い範囲にのみ通用するようなことを身につけるのは、それほど大変ではない。
逆に、さまざまなことに適用するようなことを身につけるのは、気の遠くなるような反復が必要なのかもしれない。
大切なことは手を変え、品を変え、何度も繰り返し伝えて行く必要がある。
粘り強く取り組んでいきたい。