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シュート練習
問題演習を行ったときのこと。
演習を始める前に注意点を伝える。
丸暗記にならないように、分からない言葉(イメージがわかない言葉)は必ず調べるなり、質問するなりすること。
実際に演習を始める。
ある子のテキストを見ると、左側のページが解き終わり、丸つけもしてあり、テキストの右側のページを解いているのだが、左側のページが間違いだらけになっている。
ちょっと待とうか。なんできみは右側のページに進んでいるんだい?左側のページはちゃんと理解できているの?・・・『院政』って何ですか?説明してください。
・・・分かりません(苦笑)
あのねぇ、さっき私が話したことをちゃんと聞いていましたか?イメージをして、意味を理解することが大切だと言いましたね。それをすっ飛ばして、ただ闇雲に反復したって、そんな知識はテスト後にすっからかんになるよ。
どう考えても左側のページは完了していないよね。どうしてそんなに先を急ごうとするの?・・・きみは『できるようになるために』勉強しているのかい?それとも『早く終わらせるために』勉強しているのかい?
生徒は答えに詰まる。
・・・バスケでさ、シュート練習をするじゃない。同じ100本練習するのでもさ、『なんで今のシュートは外れたんだろう。どこが悪かったんだろう。ひざの使い方か。手首の使い方か。タイミングか。』みたいに、いろいろと考えたり分析しながら練習したりするから上手くなるんでしょうよ。
きみのいまのやり方は『とりあえず何も考えずに適当に100本打ちました。はい、練習終わりっ!』ってなもんで、ただ数をこなしているだけでしょう。
そういう練習でシュートの成功率が上がるのかい?というか、その人はそもそも『うまくなりたい』と思っているのだろうか?早く終わらせたいだけじゃないかい?
この子は入塾当初から私に勉強の仕方を結構ダメ出しされてきている(もちろんそのぶん成長しているので褒めることも多い)のだが、勉強の仕方が随分と良くなった。
自分自身で丸つけが正確にできるようになったし、自分の間違いと真正面から向き合えることが増えた。
勉強に対する取り組みも積極的になった。
当然、それに伴って成績も随分と上がっている。
しかし、まだまだ勉強の仕方は発展途上だ。
どうやら、この子が乗り越えるべき次の新しい壁が見えてきたようだ。
今日から始まったテスト勉強会。
一人ひとり、勉強の仕方をじっくり観察したい。