たかが受験、されど受験

たかが受験

公立高校を受験する生徒たちが早い時間から勉強していた。

塾には、公立高校を受験する彼らと私のみ。

彼らは塾に来るなり、即座に勉強道具を机上に出して、流れるように勉強を始める。

あとは黙々と、淡々と、自分のやるべきことに取り組む。

彼らが勉強している姿を教室の後方から見る。

その落ち着いた所作や佇まいを見て、

福永

あぁ、この子たちもしっかりと『受験生』になったんだなぁ。

と改めて実感した。

私はいつも生徒たちに言っている。

福永

『たかが高校受験、されど高校受験』だよ。別に高校受験で不合格になったとしても、そんなことで大きく人生が傾いたり、ダメになったりすることはない。どこかに『たかが高校受験』という気持ちを持っていたほうが良い。その後の人生でいくらでも挽回できるし、不合格も人生の糧にできる。

福永

それに『失敗』とは、挑戦しきれなかったり、本来はすべき努力が十分にできなかったりすることを言うのであって、不合格=失敗ではない。受験の成否は、合否とは必ずしも一致しないのだから。

福永

でもね、『されど高校受験』なんだ。たかが高校受験に対して、日々全力を注ぐ。一生懸命に努力を積み重ねる。その行動の積み重ねを通して、君たちは大きく成長できるのだし、本当の自信や誇りや厳しさや優しさを持てる。それに一生懸命頑張った人にだけ、成長や喜びや感動が味わえるんだよ。

中3生たちはこの一年、『たかが高校受験』に多くの時間をかけて日々頑張ってきた。

そんな彼らが本番で実力を出し切れるよう、あとは願うばかりだ。

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