「考える」=「書く」

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中3の授業で、少し頭を使う問題に取り組んでもらった。

スラスラと解答が進む子たちもいれば、まったく分からずにフリーズする子たちもいた。

一人一人の「考える力」に差異があるわけだが、考えるのが苦手な子はどうやって考える力をつけていけば良いのだろうか。

目次

① 知識を身につける

考えるためには、前提となる知識が必要である。

英作文をするためには単語の知識、文法の知識が前提として必要だし、方程式の文章題を解くためには正負の数の知識、文字式の知識、問題によっては割合や速さに関する知識が必要となる。

「こういう問題のときは、このように考えるとよい」という、ある程度のコツというかセオリーを知っておくことも、ある種の知識と言って良いだろう。


知識を覚えることも大切だし、知識を思い出せる(連想できる)ようにしておくことも大切だ。

日本語の文を読んで「あ、受動態だ。」と思えるか。

式の形を見て「あの公式を使おう。」と思えるか。

問題を解くのに必要な知識がスムーズに連想できるように、反復練習をすることが大切だ。

② 分かっていること、考えていることを書き出す

人間、頭の中で同時に考えることができる量には限界がある。

そして、同時に考えることができる量の限界は、人によって異なると思う。

同じ人間でも、数学ならできる、英語だとできない、といったことも起こりうるだろう。


たとえばA→B→Cという作業が必要な場合、ある子はAを考え、次にBを考え、最後にCを考える。

別の子はA,B,Cをいっぺんに考える。

「考える力がある」ということは、前提となる知識があり、かつ頭の中で同時に処理できることが多い(処理が速い、正確、慣れている)ということだろう。


同時に処理できる量が少ない人がいっぺんに頭の中で処理しようとすると、頭の中がごちゃごちゃになって、思考が止まってしまう。

同時に処理できるようにするためには反復練習(慣れること)が必要だが、このような能力は急激に伸びるものではないと思う。


それではどうすればよいか。

それは、分かっていることや目の前にあることを一つ一つ書く。

つまり文字にする、ということである。

「長方形の縦が3cm、横が4cm、円の半径が・・・」のように情報を書いていくことも良いと思うし、「面積を求めたい、座標を求めたい」などのように求めたいこと、知りたいことを書いていくのも良い。


紙に書き出すことによって、頭の中で同時処理すべきことが少し減る。

頭の中が整理されたり、頭の中に余白ができたりする。

それによって、頭の中がごちゃごちゃになったり、迷子になったりすることが少しだけ避けられると思う。

というわけで、塾生諸君には一つの問題について考えるときに「文字を書く、図を描く」という習慣をつけてもらいたい。

そのために私も、事あるごとに、口酸っぱく伝えていきたいと思う。

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