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小学生のうちに土台づくり
小学5年生の算数で、やや難易度の高い問題を宿題で扱った。
○○さんのこれまでのテストの平均点は83点です。今回のテストで85点を取ると、平均点が83.4点になります。○○さんは、これまでに何回テストを受けましたか。
中学生ならば方程式を利用して解くこともできるが、小学生だとそうはいかない。
「平均との差分を均等に分配する」という感覚が必要である(ちなみに答えは4回です)。
塾生たちの宿題のノートを見ると、次のように分かれた。
ア、イは問題無い。類題を練習していけば慣れていくだろう。
ウの生徒のうち、問題番号のところに?マークがついてあったり、問題番号をマルでぐるぐる囲んであったり、「質問」「先生に聞く」と書いてあったりする子も問題ないだろう。
「この問題は分からなかったから解決しないといけない!」という意識があるからだ。
まずいのは、ただ単に赤ペンで答えを書いていて、自分のなかで「終わったことにしてしまっている」子である。
目の前にある分からないことに対して、疑問に思ったり、どうにかして解決しようとしたりするという欲求は、本来だれでも持っている感覚だと思う。
しかし、長い年月をかけて勉強に対する義務感が強くなっている子や、一つずつ解決することよりもとにかく終わらせたい子(正確には終わったことにしてしまいたい子)にとっては、目の前にある分からない問題は単なる邪魔者でしかない。
無視するのが一番である。
しかし何も書かずにいると「まだ終わっていないでしょう。」と指摘されるので、表面上だけ体裁を整えて「終わったよ。」と言うための作業をすることになる。
それが「ただ答えを丸写しする」ということなのだろう。
中学生になってから、この癖を修正するのはとても大変だ。
まず第一に、長い間ずっとそのラクなスタイルで来てしまっているからである。
ラクな状態を抜けだし、新たな習慣を身につける(上書きする)ことは大変な労力を要する。
また、中学生は忙しく、限られた時間の中であれこれやっていかなければならない。
複数の宿題や課題の〆切に追われている状態では、どうしても「ちゃんとやる」よりも「とりあえず終わらせる」の優先順位が高くなってしまう。
「とりあえず終わらせる」ということ自体が悪い訳ではないのだが、そうすることで著しくクオリティが下がること、すなわちやり方が雑になってしまうことが問題である。
「悪癖を修正したいが、それをきちんとやろうとすると終わらなくなる」という板挟みになる。
だから、できれば小学生のうちに「ちゃんとやるとはどういうことか」「終わらせるとはどういうことか」「分からないことを溜め込まない」「分からないことは調べたり聞いたりする」といったことを身につけてもらいたい。
そういう学習習慣や勉強観が身についていれば、勉強していくうえでの確かな土台となる。
私は5年生の子たちに「分からないことが出てきたときは、これからこうしようね。」というお話をした。
そしてその上で、宿題の解説を行い、解説を書き写し終わった子からそれぞれ「オリジナル問題」を作ってもらった。
数字や条件を変えて問題をつくろう。あとで、みんなが作った問題をみんなで解こう!
と伝えたところ、素直な塾生たちは一生懸命に問題をつくってくれた。
授業中に生徒たちが作った問題を私が打ち込み、プリントにして答え付きで渡した。
問題の解き方を学ぶことも大切だが、分からない問題が出てきたときの対処法も大いに学んでほしい。
そんなことを思った授業だった。
この記事を書いた人
進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。
趣味:将棋(将棋ウォーズ1級)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド
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Twitterはこちら R_makes_rb
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