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あれこれ試行錯誤する根性
以前の小学算数の授業で、とある子がよく理解できていなかったところがあったので、もう一度自力で考えてもらった。
ちなみにこんな問題。
「39をわっても66をわっても3余る数を求めよ。」
2つの難関
この問題にはいくつかの難関がある。
まず「3余る」とはどういうことかを考える必要がある。
「39を何かでわったら3余る」ということを「(39より3だけ小さい)36を何かでわったら余りが0になる(わりきれる)」というふうに言い換えなければならない。
また「36をわりきれる数をみつけるには36の約数を探せばよい。」ということも言われれば分かるだろうが、言い換えが苦手な子にとってはつまずくポイントだろう。
「もう一度自力で考えてみて」だとはじめの一歩が出ないと思ったので、まずはヒントとして、土台となる発想を伝え、それをもとに考えてもらう。
25分ほど経ってなんとか答えにたどり着く。
ノートには筆算がびっしり。
だが答えにたどり着くまでのプロセスが確立されていない。
「ひたすら色々な道を歩いていたら、たまたま頂上に到達した」という感じの解き方だった。
そこで再び先ほどのヒントの意味を一緒に考える。
やりとりをしていると、どうやら「36をわりきれる数を探せばよい」ということは分かっているが、「36の約数を求めればよい」という話に繋がっていないようだ。
これまたたくさん計算をした末に、
結局自分がやってきたことは約数を求めるということだったんだ!
その後
結局、36と63の公約数を求めれば良かったんだ!
ということに気づくまでに20分くらいかかった。
最後に「なんで1とか3は答えとしてふさわしくないのか」ということを考えてもらい、無事に言語化できた。
試行錯誤の末
結局、トータルで1時間かかってこの問題を理解するに至った。
この子はまだ現時点では算数が得意な子ではない。
むしろ今回のように初めて触れる問題、考え方が出てきたとき、その習得に比較的時間がかかる子だ。
だが、いったん自分の中で腑に落ちると、そこから先の定着は他の子よりも非常に良い。
習得の仕方にそういう特徴がある子だということが分かっているので、私も安易に解法を教えたりせずにあれこれ手を動かさせる。
解いた問題は1問かもしれないが、その1問を解ききることを通じて、結果的に解けるようになる問題が増えれば良い。
この子のえらいところは、途中で投げ出したり、適当な答えを書いて終わらせようとしたりせずに、最後まで試行錯誤をし続けられるガッツ、根性があるところだ。
勉強以外にも習い事や普段の生活で、このような粘り強さを培っているのだろう。