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塾に通っていれば……
私は小・中・高と塾や予備校に通ったことが無い。
特にこれといった理由は無いのだが、自分の中で塾という場所は「難しい内容ばかりでついていけなさそう」「競争ばかりで人間関係がギスギスしてそう」というイメージがなんとなくあった。
ある程度の年齢になるまで他人との競争に興味を示さず、「人は人。自分は自分。」という考えで生きてきたので、足が向かなかったのだろう。
そんな自分が塾の先生一筋の人生を送っているのだから、人生は面白い。
さて、そんな自分が塾の先生の仕事をする中で、
自分も塾に通っておけば良かったかなぁ・・
と思う瞬間がいくつかある。
まず一つ目は「自分を知ることができる」ということ。
正確に言うと、自分の足りないところや自分が持っていない視点や価値観を得られるということだ。
自分のことを自分ひとりで理解することは難しい。
塾に通っていれば、先生に教えてもらったり、他の塾生と自分を比較したりすることで、自分の足りないところを理解することができたと思う。
また、自分が知らない世界があるということ(世の中には猛勉強をしている子たちがいるということ)を学べたと思う。
それによって自分の時間の使い方が変わったかもしれない。
二つ目は「競争」だ。
勝負の世界は厳しい。
他人に負けること。
必死に努力したにもかかわらず結果が出ないこと。
そういうことを経験し、それでも腐ったり誰かのせいにしたり、やけになったりすることなく、自分のやるべきことを粛々と積み重ねていく。
そういう経験をすることも、人格を形成する上で大切だと思う。
三つ目は、塾という空間で生まれる「仲間」だ。
同じような目標に向かって切磋琢磨するからこそ生まれる連帯感。
「一緒に戦っている」という仲間意識。
そういうものを得られたかもしれないなぁと思う。
もちろん大人になってから、そういう仲間たちにたくさん出会えたのだが、生徒たちを見ていると、多感な思春期にそういう仲間がいることは、精神的な成長に繋がるのではないかと思ったりする。
もし自分が小中学生のときに進学塾unitが存在していたら・・・・絶対に通いたい。
きっと、一緒に勉強する塾生たちからたくさんのことを学べると思う。