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数学の証明ができるようになるまでの軌跡
昨日のテスト勉強会では、何人かの生徒と1:1で対話をしながら数学の問題を解いた。
この式は何を表しているの?
いま、何を言いたくて合同を示そうとしているの?
この問題で最終的に言いたいことはなんだっけ?
なんでこの式が出てきたんだっけ?
私が一つずつ質問し、生徒にじっくりと考えてもらいながら話を進める。
はじめのうちは、言語化することに生徒も慣れていないため、考え込む時間が長い。
「どんどん間違えていいし、焦らなくていいから、じっくりと考えてごらん。」と伝えつつ、じっと待つ。
そのうち、生徒たちと私のなかで少しずつ共通認識ができてきて、次第にやりとりがスムーズになってくる。
ひと通り解けたら、もう一度問題を振り返る。
まずこの問題は最終的に何を示したいんだっけ?
三角形PBCが二等辺三角形であること、です。
そうだね。二等辺三角形であることを示すために、どういうことが言えればいいの?
2角が等しいことを証明する。
そうだね。じゃあ2角が等しいことを証明するにはどうすればいいの?
この二つの三角形が合同であることを示します。
OK!じゃあ、三角形が合同であることを示すために、何が言えればいいの?
2辺とそのあいだの角がそれぞれ等しいことを示します。
バッチリだね。じゃあ、今の話を今度は前から説明してみよう。まずどの三角形に注目するの?
まず△DBCと△ECBに注目して、BC=CBが言えて……
はじめは逆算思考で説明させたあとに、今度は前から言えるようにする。
こうして「話の流れ」を自分の頭の中で繋げられるようにする。
どうですか?いまの状態だったら、一人で証明が書けそう?
はい。書けます。
そうだよね。こうやって、証明が書けるときっていうのは、自分の中で話の繋がりができている状態なんだよ。逆に言うと、こういう状態になっていないのに、証明は書けないわけだよ。今の状態が『分かっている』という状態だから、この感覚をちゃんと覚えておいてね。
「考える」とはどういうことか。
「分かる」とはどういうことか。
「教わったことを言葉にする」とはどういうことか。
適切に補助を出しながら、時間をかけて一緒にああでもない、こうでもないと試行錯誤する(正確には目の前でこちらが試行錯誤をしてみせる)からこそ、感覚的に伝えられること、教えられることもある。
個々の生徒とのやりとりをできるだけ多く取れるような仕組み、環境を今後も大切にしていきたいと思う。
この記事を書いた人
進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。
趣味:将棋(将棋ウォーズ1級)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド
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Twitterはこちら R_makes_rb
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