数学の証明でやってはいけないこと【苦手な人はやりがち】

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中2生は少し前に証明の単元に入った。

証明問題は答えを書き切るまでに行う作業が多い。

① 問題文を読み、条件(仮定)と結論を確認する
② 問題文で与えられた条件を図の中に書き込む
③ ②以外に新たに分かる情報を図の中に書き込む

これらが終わったあとに(あるいは同時進行で)

④ どの合同条件が成立するかを考える
⑤ 筋道が立てられたら証明を書き始める

というのが大まかな流れだ。


いま手元にある情報と、これから示したい情報を正確に把握、認識し、それらをどう組み合わせれば話が通じるのか。

そういうことを考えながら進める必要があるので、生徒によっては負荷のかかる単元だ。

逆に、上記のようなことをパズル感覚で行える子にとってはとても楽しく、達成感が得られる単元だろう。


私の授業では、まず上記の基本的な流れを説明し、まずは一問、私が証明を目の前で書いてみる。

ひと通り書いたあとに、全体像をおさらいし、生徒たちに類題を解いてもらう。

ここで、大きく二つに分かれる。

論理的に話を繋げられる子、もう一方は適当に話をでっち上げてしまう子である。


たとえば「AB=DC」と書くためには、なぜそれが成り立つと言えるのか、根拠を考えなければならない。

「なんとなく見た目で等しいから」とか「理由は無いけど、たぶん等しい」という訳にはいかない。

もし根拠が言えればそのまま話を進めるし、そうでなければ別の道を探る必要がある。

しかし、何の根拠も無いまま話を強引に進めてしまう子がいる。

「こうなったら良いな(こことここが等しければ良いな)。」という願望を、根拠なしに書いてしまう。

こういう進め方をしていると、当然正しい証明を書くことは難しい。


あくまで体感だが、こういう証明の書き方をする子は、たとえば角度の問題を解くときでも

生徒

ここは直角かな。うん、たぶん直角だ。きっとそうに違いない。

とか

生徒

ここは角度がちょうど半分になる

といったように、根拠なく決めつける傾向がある。


もっと言えば、「よく分からないけど、ここからここを引いたらなんか答えになりそう」みたいな解き方(?)をしていることが多い。

「なんとなくこうなりそう」という感覚を持つこと自体は良いことなのだが、「なぜそれが言えるのか」を確認しない姿勢、「たぶんこうなるだろう」と決めつけてそれ以上追求しない姿勢に大きな問題がある。


このような思考回路を持っていない子は、この証明の単元で一から感覚を身につけていくことになる。

すでに身につけている子との進捗の差は歴然である。

一つ一つの事柄に「なぜそうなるのか」という根拠、理由を付随させながら解いていくことは、数学に限らず、どの教科でも大切なことである。

こんなことを考えながら指導にあたるので、毎年、証明の初回授業で、生徒の書く答案を見る瞬間はとても「緊張」する。


この記事を書いた人

塾長
ふくなが

進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。

趣味:将棋(将棋ウォーズ1級)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド

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