塾業界の悪しき慣習

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これまでに何度かあったのだが、中学生の保護者の方と進路のお話をしているときに

すみません。うちの子、塾の実績に貢献できなくて・・・

とか

レベルが高い高校じゃなくて申し訳ないです。

みたいなことを、ときに冗談半分で、ときに本気で伝えられることがある。

このようなとき、塾講師として何とも言えず申し訳ない気持ちになる。


当塾は進学塾であるから、進学実績は大切にしたい要素の一つである。

進学実績は、その塾の指導力の一端を垣間見ることができる要素からだ。

しかし、当塾は少しでも多くの生徒が偏差値の高い高校に入学することのみを至上命題として指導にあたっている訳ではない。


・努力を積み重ねた末に高い学力を要する高校に合格すること
・勉強に対して後ろ向きだった子がやる気になって勉強するようになること
・勉強に自信が無かった子が自信をつけること
・「頑張る、努力する」ということがどういうことかを理解すること
・勉強の楽しさに目覚めること
・その子にとっての居場所ができること
・自分の課題と向き合い少しずつ克服すること

他にもいろいろあると思うが、私たちが価値を置いていることはたくさんあり、進学実績はあくまでもその一つである。

上記のことには、それぞれの価値がある。

高校受験は本人やご家庭が納得できるかどうかが大切であり、塾としては客観的なデータとそれまでの本人やご家庭とのやりとりを踏まえてアドバイスを行うことまでしかできないと思っている。

最終判断はあくまでも本人とご家庭がすべきである。


そこに「塾の宣伝になるか」などという些末なことは、介入させるべきではないと私は考える。

だから、「本人やご家庭の意向をないがしろにして少しでも学力的に高い高校を勧める」などということは絶対にしない。


冒頭で「申し訳ない気持ちになる」と書いたが、生徒・保護者にそのような発言をさせているのはこれまでの塾業界の悪しき慣習が一因であると思う。

偏差値が高いA高校と低いB高校があったとき、A高校に誘導する塾が多いのだろう。

それどころか、受験競争が過熱しているところでは、無理だと分かって受験させるケースもあると聞く。

こういった背景から冒頭の台詞が出てきているのだとすると、同じ塾業界で働いている者として本当に恥ずかしいことだと思うし、申し訳ない気持ちになる。


繰り返すが、どこの高校を受験するかを考える際に、塾の宣伝うんぬんは全く考えないでいただきたい。

生徒本人とご家庭が納得して受験できればそれでよいと思う。

この記事を書いた人

塾長
ふくなが

進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。

趣味:将棋(将棋ウォーズ1級)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド

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Twitterはこちら R_makes_rb

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