ベテラン?

以前、ある方とお話をしていたときに、

じゃあもう、先生はベテランですね。

と言われた。


たしかにこの道一筋、という感じで塾の先生をやってきたが、正直自分のことをあまりベテランだと思っていない。

まず一つ目には、ベテランという言葉に対して私があまり良いイメージを持っていないからだ。

常に新鮮な気持ちを持ち、新しい挑戦を続け、少しでも試行錯誤をし続けたい。

決して慢心することなく、より良い指導を目指したい。

私はベテランという言葉に、そういう「攻めの姿勢」とか「勢い」といったものを感じない。


またそれまでのやり方に固執したり、柔軟性を失ったりしているイメージもある。

これも私が避けたいことだ。

常に精神と肉体の両方で新鮮さを保っていたいので、ベテランという言葉はしっくり来ないのだと思う。


そして何より、私は常に数年前の自分とは異なる自分になっていると思っている。

大切にしている価値観、自分の視点、生徒たちへの対応、授業中に考えること、感じていること、教え方、教えるタイミング、言葉遣い……。

数年前の自分は全く考えていなかったようなことを今は考え、見えていなかったことを見ている。

そして、それは来年も再来年も、どんどん変わっていくと思う。

だからこそ飽きることが全く無いし、いつも過去の自分を否定する気持ちと、これから成長する必要性を常に感じて仕事にあたっている。


いつか自分のことを「ベテラン」と感じるときが来るのだろうか。

それは実際に時間が経ってみないと分からないが、そのときも今と同じように、それ以上に楽しく仕事をする自分でありたいと思う。

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