時間、手間、そして根気

小テストの採点をしていて

当塾では日々の小テストが不合格になった場合、再テストを受けてもらうことになっている。

先日、ある子の再テストを採点していたら、おそらく理解できていないであろう間違え方をしていた。

そこでルーズリーフに解説・コメントを書いて返却した。

そのテストに関しては、その1問のみの間違えだったので「おまけ合格」ということにしていたのだが、後日その子が同じテストをもう一度受けていた。

テストの端っこに本人のコメントが添えてあった。

「先生に書いてもらった説明を踏まえてもう一度解き直しました。」

追求する姿勢

合格することが目的になっていれば、こういう行動は取らないだろう。

あくまでもこの子の目的は「ちゃんと理解すること、ちゃんとできるようにすること」なのだろう。

「間違えたものは自分のものになるまでしっかりと追求する」という姿勢が身についている証拠である。

ご家庭におけるこれまでの日々の積み重ねの充実ぶりが垣間見える。

目の前の課題をひとつずつ着実にクリアする。

時間と手間、そして根気を要することだと思う。

しかし、こういうことなくして学力を身につけることは難しい。

「勉強ができるようになるために。」ということもあるが、

「なにかを成すには地道に積み重ねることが何よりも大切である。」

というものの考え方が本人の中にしっかりと根付いていることは、その子が大人になっていく上でとても大切なことだ。

決して容易なことではないが、自塾の生徒たちがそのような価値観をしっかりと持ち、体現できるように導いていきたい。