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再テストに垣間見る生徒の考え方【小テストは実技テスト?】
再テストの不合格者が増えている
ここ数年、塾で行う小テスト、とくに再テストを見ていて気になることがある。
それは再テストで不合格になる生徒が増えているということだ。
教科にもよるが、基本的に再テストは1回目の小テストと同じ問題が出る。
きちんと理解し、練習し、覚えておけば満点を取ることはさほど難しいことではない。
長年このような体感で指導してきたし、実際、教えてきた生徒たちの大半もそのような子だったと記憶している。
たまに勉強の仕方が少し甘い子で、1、2問ほど間違えるケースがあったが、「再テストで間違える」「再テストで不合格になる」という状態はある意味特別なケースだった。
それがいまや珍しいことではなくなってきた。
おかげで採点が大変になってしまった。
働かない違和感
たとえば数学の計算テスト。
解き方が分かっていて、きちんと練習をしていれば正しい答えが出る。
きちんと勉強している子が再テストを受けると、仮に計算ミスをしたら、「あれ?おかしいな。練習したときと同じ数字にならないぞ?」という風に疑問に思う。
しかし、きちんと勉強していない子は間違えた答えをそのまま書く。
「練習のときとなんか違うぞ?」という違和感が働いていない。
こういう生徒たちに
どうやって勉強したの?
と聞いてみる。
すると
解答を見て解き方を確認しました。
と答える。
なるほど、解き方は理解できたのね。それで、実際に計算してみたの?
と問うと、
いや、練習はしていないです。
と返ってくる。
私も意地悪なので、
本当にそれで大丈夫?間違いなく大丈夫なの?
と聞く。
すると
たぶん大丈夫です。いちおう大丈夫だと思います。
とだんだんトーンダウンする(苦笑)
こういう子たちは「解き方はなんとなく分かった。だから大丈夫だ。」と思っている。
否、希望的観測で大丈夫だと思い込もうとしている。
そして、反復練習をしないまま再テストを受けているので「この問題はこういう感じの答えになる」という感覚も身についていない。
当然、違和感が働くはずもない。
「泳ぎ方を理解したから、実際に泳いでみなくても大丈夫!」ってほんとか?
実技教科という言葉がある。
一般的に音楽や体育、美術などの教科を指すと思う。
普通の教科にはあまりないが、実技教科には「実技テスト」がある。
音楽には歌やリコーダーのテストがあり、体育には水泳のテストがある。
英語や数学におけるテストはこの「実技テスト」と考えてもらいたい。
解き方を理解したから、実際に計算練習をしなくても大丈夫
解説を読んで理解できたから、実際に英文を書いてみなくても大丈夫
という考えは、
リコーダーの吹き方を理解したから、実際に吹いて練習をしなくても大丈夫
バタフライの泳ぎ方を理解したから、実際に泳いでみなくても大丈夫
と言っているのと大差ない。
リコーダーの吹き方(指運び)が頭で分かっていたとしても、実際に指が正しくスムーズに動くかどうかは別の話だ。
実際に吹いてみたら指がうまく動かせずにつっかえるところもあるだろうし「制限時間内に間違えずに吹いてください」と言われたら、緊張でうまく吹けなくなることもある。
そういうことが起きないように繰り返し練習をして、10回やったら10回できる状態をつくることが再テストの勉強であると考えてほしい。
「面倒くさい」との戦い
ちょっと厳しい言い方になるが、こういう生徒には意識、無意識にかかわらず、
「できるだけ省エネで乗り切りたい」
「少ない労力でもなんとかなるんじゃないか」
という甘い考えが根底にあるような気がする。
非常に甘い。
キャラメルフラペチーノホイップ増し増しくらい甘い。
自分に対してそんなに甘くてどうするのか。
何事も地道な努力や労力を積み重ねるからこそ、きちんとした技術、技能が身につくのである。
そして地道な努力を続けることは、ある意味「面倒くさい」と戦い続けることでもある。
ラクをして身につけられるものなんて無い。
「たぶん大丈夫だろう」などと自分に対して甘く考えるのではなく、「もしかしたら大丈夫ではないかもしれない」と考えて地道に努力できる人になってもらいたいと切望する。
この記事を書いた人
進学塾unitの塾長。数学・英語・理科担当。生徒と保護者、スタッフの笑顔を見るために日々邁進中。基本的にいつも機嫌が良く、無駄に元気。
趣味:将棋(将棋ウォーズ1級)、コーヒーを飲みながらカフェで数学、ダイエット 特技:リバウンド
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Twitterはこちら R_makes_rb
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